They have fought among themselves.2011/05/23 18:31

【仲間割れが始まった感じだな】

いま読んだネットニュース(資料1)の感じでは、どうやら政府と原子力安全委員会の委員長氏の間で仲間割れが始まった感じがする。

これからどう展開するかわからないので、記憶を確かなものにするため状況を整理しておきます。

[1] 東電は地震発生の翌日に原子炉を冷やすための海水注入を1時間近く中断した。これは委員長氏が「海水を入れると再臨界する危険がある」とアドバイスしたからだと政府はいう。(資料2)

[2] これに対して委員長氏は「そんなこと言うはずがない、素人じゃあるまいし」ということで、政府に訂正を求めた。政府は「確かにそれらしいことをいったぞ」ということで両者は話し合った結果、「海水を入れると再臨界する可能性がゼロとはいえない」と言ったということで合意した。(資料3)

[3] これで決着かと思ったが、委員長氏は資料3にあるように、「1時間も注入停止したので原子炉に悪影響したはずだ、注水停止の経緯を徹底的に調べてもらいたい」と蒸し返した。(資料1)

委員長氏は、俺はゼロじゃないとアドバイスしただけだ、悪いのは注水停止させた奴だ、徹底的に糾弾しろ、と言ってるわけだね。

衆議院で答弁する委員長氏 -衆議院TVより-


専門家が「再臨界の可能性がゼロじゃない」と言ったら、運転サイドは「再臨界するかもしれない、恐いな、海水注入いったん止め」となって当然だ。委員長氏、あんたが悪い。

委員長氏は、5年前にはこんな発言をしていたようだ。4分ほどの動画だが、聞いて驚いた。
「原子力発電に対して安心できる日なんか来ませんよ、あんなもの安心できるわけないじゃないですか、あんな不気味なの」、”金で横っ面はりたおしてやってんだよ、儲かるんだな原発って”ってな感じです。

やっぱり、原子力安全委員会というのはなかったんだなあ、というのを実感した。

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【資料1】 2011.5.23 17:45 のNHKのネット記事より
東京電力福島第一原子力発電所1号機で、地震発生の翌日に原子炉を冷やすための海水の注水を1時間近く中断していたことを巡って、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は「原子炉に悪い影響を与えたことは確かで、注水を止めた経緯を徹底的に調べてもらいたい」と述べ、注水を中断した影響や経緯を検証すべきだという考えを示しました。

【資料2】 2011.5.22 15.55 のNHKのネット記事より
東京電力福島第一原子力発電所1号機で、地震発生の翌日に原子炉を冷やすための海水の注入を1時間近く中断していたことを巡って、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は「海水を入れると再臨界を起こす危険性がある」と意見を述べたとされることについて、NHKの取材に対し、「原子力の専門家として、そうしたことを言うわけはないし、言った記憶もない。当時は、原子炉を冷やすために水を入れるべきだと言い続けていた」と話し、発言を否定しました。

【資料3】 2011.5.22 20:15 のNHKのネット記事より
東京電力福島第一原子力発電所1号機で、地震発生の翌日に原子炉を冷やすための海水の注入が1時間近く中断されていたことを巡って、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は、みずからが「再臨界の危険性がある」と意見を述べたとされることについて、福山官房副長官らに対し訂正を申し入れました。