夜中にアサブロ

【時間旅行者】

タイムトラベラー　-タイムマシンの方程式を発見した物理学者の記録-　ロナルド・Ｌ・マレット著　祥伝社　2010.8　￥1600+tax

1945年生まれの理論物理学者の自伝です．彼は，2002年6月，人類初の実用的なタイムマシンの原理を発表した．その原理は世界中の重力理論の専門家たちが正しいと認めているらしい．

自伝には興味がない，しょせんは他人の人生だから．幼くして父を亡くす，子供時代からのうつ病，黒人であるがゆえの差別，10歳年上の女性との結婚，うつ病の悪化，別居，一人暮らし，離婚，新しい家族，突然の病魔，友の突然死，心臓病の悪化，うつの再発，そりゃ～いろいろありますよ，誰にだっていろいろあるのだ，かくいう私だって・・・，Oops いわないぞ．そんなことはどうでもいいのだ，タイムマシンの話しはどこだどこだとページをめくりながら拾い読みしているうちに，引き込まれて全部読むはめになってしまった．

10歳のとき突然父を亡くした彼は，12歳の時，Ｈ.Ｇ.ウエルズの小説を読み，タイムマシンを作って父に会う決意をした．その一念で一心不乱に勉強し，ついに理論物理学の教授までになった．妻との離婚も結局は父を思い続けている彼のせいだ．うつ病がそうさせるのだろうが，父が死んで40年も経っているのにすざましいかぎりだ．妻は彼に同情し時には激怒する，妻はいう「ボイド・マレット（父の名前）の魂を安からに眠らせてあげてよ！」　彼はいう「そんなことができるものか！」

わからんなあ，この理論物理学者の気持ちは．