a wish made on a falling star comes true2009/03/14 21:02

田中ひろみさんのイラスト 「星に願いを」
【星に願いを】

イラストレータの田中ひろみさんがマイコミジャーナルに、「女巡礼一人旅! 仏像好きが行く四国八十八カ所」という記事を連載している。現在24番札所まで来たようだ。
https://news.mynavi.jp/article/ohenro-1/

私の郷里は四国なのでお遍路さんには特別な思いがあるので書いておきたい。

私の生家はお遍路道からは少し離れた地区にあり、子供時代(1960年代)には、巡礼道を間違えたと思えるお遍路さんが時々家の前を歩いている程度だった。

私は、実は、お遍路さんにはいいイメージはない。お遍路さんのことを地区の方言で”ヘンド”と呼んでいた。漢字でどう書くかは知らないが、蔑称だったと思う。例えば、子供が泣きやまないとき、「ヘンドにやるぞ!」と大人は脅すのである、すると大抵の子供は泣きやむ。子供達がいたずらすると大人は「ヘンドが来たぞ!」と脅すのである、大抵の子ども達は蜘蛛の子を散らすように右往左往するのであった。だから、”ヘンド”は怖いものであった。恐ろしいものであった。

ある時、ヘンドがうちの前に来て、突然お経をあげだした。母はお礼に首からかけている袋に米か麦をいれてやるのである。それがないときは茶碗にご飯をよそって食べさせてやるのであった。この後、母は茶碗を割って捨てた。箸をどうしたかは記憶にはない。先にも言ったように遍路道からは離れたところなので私の記憶ではほんの数回のことである。

私の母は信心深い人であったから、この風景は実に不思議であった。この風景は私の心にずっと謎として残っていた。

20代半ばの頃だったか、NHKで、空海の密教には魔力があると信じられていた、というような番組があった。この時、いままでの謎が氷解した。

昔々の巡礼は病持ちが大半であった。不治の病の治癒を弘法大師の魔力にすがったのである。イメージとしては、映画「砂の器」の本浦親子のようだったのだと思う。

私の地区で、ヘンドに飯をふるまった後、茶碗を割って捨てたのは永い時の記憶というものだろう。

ところが最近の情報では、遍路宿というものがあり、お遍路さんにいろいろと接待する施設、いわばお遍路さんの民宿のようなものがあるということである。このあたりが、私のような記憶を持つ者には解せない話なのである。

田中ひろみさんにはぜひ、遍路宿の歴史など、ほんとうに昔からあったのかなど、ご報告いただければうれしい。

私の実家に以前、天保年号が記された金剛杖があった。弥七というご先祖様が巡礼に使ったものらしいが、どんな願いを持って旅したかは伝わっていない。

問題:H11年8月の内閣府「余暇時間の活用と旅行に関する世論調査」で、この1年くらいの間に、観光、レクレーション、スポーツなどのための1泊以上の国内旅行した者に、誰と行ったか聞いたところ、”一人”と答えた者の割合は?
a) 3.0 %
b) 36.1 %
c) 44.2 %