Failure Knowledge Database2011/04/03 09:29

【失敗知識データーベース】

四国電力の社長が、福島原発の事故を受けて、下記のようなことを述べたと毎日jpが伝えている。
要するに、”原発でこのようなシビアアクシデントは起こりえないと私は思っていた”ということだけれど、トップがこれでは事故のときどうすればいいか考えるような部署はないということだし、あったとしてもそういう部署に有能な人材を配置するわけがない。

歴史的に見れば、電力会社の経営陣は初めは不安だったに違いない。そこで「安全神話」なるものを作り出して外に対してはそれを標榜して時間をかせぎながら、内部ではいろいろな研究をしていたのだと思う。

それが経営陣が代替わりを重ねるうちに、”このようなシビアなアクシデントは起こりえないと思っていた”というような人が社長になるまでに風化したのではなかろうか。

もしそうだとすれば、それだけで、失敗知識データベースに登録するべきことかもしれない。

スリーマイル島やチェルノブイリ事故を含む電力関係の失敗事例はここにある。
http://www.sozogaku.com/fkd/lis/cat007.html

-------------------------
毎日jp 2011.3.24の記事より
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20110324ddlk38040440000c.html
東日本大震災:「安全だ、と話せない」 原発巡り四電社長 /愛媛
「伊方」一時停止はせず
 東日本大震災により東京電力福島第1原発(福島県)で深刻な事故が起きていることを受け、伊方原発(伊方町)を運転している四国電力の千葉昭社長は23日記者会見し、安全対策を説明。しかし、電力各社がこれまでシビアアクシデント(過酷事故)は起こり得ないと説明してきたことについて、「私もそう思っていた」とした上で、「今は『安全だ』と住民に話ができる状態ではない」と厳しい表情で語った。ただ、「正常に運転している原発を止めることは考えていない」と、運転の一時停止や、プルサーマル発電の中断については否定した。
【柳楽未来、門田修一、藤田文亮】