夜中にアサブロ

【やったらやれる、やらなんだらやれん】

武士の一言　火坂雅志著　朝日新聞出版　2010.4　\1200+tax

副題に「逆境を打ち破った男たちの名言」とあった．大石内蔵助，上杉謙信，河井継之助，北条早雲，織田信長，徳川家康，豊臣秀吉，高杉晋作，勝海舟，坂本龍馬，吉田松陰，等々50人の「一言（いちげん）」とその解説である．

著者はいう，
「ほんの少し前までわれわれの前には道がひらけていた．そんな時代は，すでに過去のものとなり，いま生きるわれわれは進むべき道の方向さえ失っている．だが，歴史を振り返ってみればいまより人々が苦闘していた時代はいくらでもあった．・・・逆境をバネにみずからの目標に向かって突きすすんでいったサムライたちの言葉を通して，読者の生きる指針を見つける助けとなれば著者としてこれほどの幸せはない」

5月20日，宴席で，上杉鷹山の話しになった．
「この方の有名な一言に・・・・」
「ほうほう，どんな・・・」
いかん，思い出せない・・・
いわなけりゃよかった・・・

遅ればせながら，この本の助けを借りて，この会話を完結させたい．

「この方の有名な一言に，『なせばなる，なさねばならぬ何事も，ならぬは人のなさぬなりけり』という言葉がありますね．」
「ほうほう，どういう意味ですかね」
「それわぁですね．物事が成し遂げられないのは人がそれを最初からあきらめてなそうとしないからです．挑戦してみれば成し遂げられないことなど何もない．現状を嘆いて手をこまねいているより，まずは何事もやってみようではないか，という意味ですよ．えへん（痰がからみました）」

「ふむふむ．簡単にいえば，やれよ，ですかね」
「やったらやれる，といってもいいですね」
「やらなかったらやれない，ということですね」
「あれっ、こっちのほうが鷹山の言よりも簡潔でいいじゃないですか」
「ですよねぇ」

と続いた，のかもしれない．

ごちそうさまでした、またよろしく。