I read it.2016/02/14 22:46

【読んでみた】

「エレクトリックな科学革命-いかにして電気が見いだされ、現代を拓いたか-」 デイヴィッド・ホダニス 早川書房 2007年8月

アレグザンダー・グレアム・ベルの電話の発明の章に以下のような記述がありました。

『アレックは、羊皮紙を自分の口に近づけ、その向こう側の、羊皮紙に接触するかしないかの位置に、導線を一本配置した。彼が言葉を発するたびに、彼の口から空気が出て、羊皮紙に導線を押し付けた。人間が話すことで生じるくらいの空気の振動は大したものではなく、それによって導線が目に見えて曲がるわけではなかったが、導線の内部を流れている、人間の声による空気振動よりもはるかに小さな電気の流れに対しては、それで十分だった。』

「小さな電気の流れに対しては、それで十分だった」とあるけれど、導線に外から空気圧を押し付けるくらいでは電子は動かないだろう。またその変化を取り出すのも無理じゃないか。
発明が閃いた瞬間の心象風景としてはいいかもしれない。