夜中にアサブロ

【みんな若くして死んだね】

「幕末史」　半藤一利　新潮社　2009年1月

もうすぐ読み終わります．
嘉永6年のペリー来航から明治11年大久保利通の暗殺まで，カルチャーセンターで1回2時間，12回にわたって延々と語りつづけた記録を本にしたものです．何というか，幕末史の解説ですね．小説とは違ったリアリティがあります．
例えば，黒船来航は6月3日の午後5時で1日目はどこの誰べえが何をして2日目3日目4日目といろいろあって5日目に国書を受け取る儀式があってカクカクシカジカののち8日目に帰った，という感じです．

明治維新はすばらしかったとか何とかいう人がいるけれど，権力闘争です．関ヶ原と同じだけど時代が違うので新しい幕府を作れなかっただけ．

それにしても，みなさん若くして死にましたね．
阿部正弘　享年39　　　徳川家定　享年35
吉田松陰　享年30　　　井伊直弼　享年46
徳川家茂　享年21　　　孝明天皇　享年36
高杉晋作　享年29　　　木戸孝允　享年45
坂本龍馬　享年33　　　中岡慎太郎　享年30
西郷隆盛　享年51　　　大久保利通　享年49

中でも大久保利通は無残です．
「大久保は抵抗する暇もなく，めった斬りにされ，のどへ突き刺されたとどめの一撃は首を貫通し地面に切っ先が突き刺さったといいます」
戦わなくてもよかったものを武装蜂起にもってゆき，その後は国家統治をほしいままにしている独裁者ですから，元賊軍の人たちから見れば殺したくもなるでしょう．

【私には美人に会うとクシャミが出るという奇妙な癖がある】

「自分では気づかない，ココロの盲点」　池谷裕二著　朝日出版社　2013年12月　880円＋税

池谷裕二氏の最新著作です．
認知バイアスと呼ばれる脳のクセは相当数発見されていて，この本ではそのうちの代表的なものを30例解説しています．

認知バイアスの1例≪自由意思錯覚の法則≫を紹介します．
以下，120ページからの転載です．
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両手にレバーを握ってもらいます．レバーにはボタンが付いています．
好きな時に，左右好きな方のボタンを，自分の意志で，自由に押してください．この実験中，あなたの脳活動を測定します．
さて，手を動かす準備をする脳活動のタイミングは次のどちらだったでしょうか．
①「押したい」と思ってから，脳が押す準備を始める．
②脳が押す準備をしてから，「押したい」と感じる．
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正解は②の脳が押す準備を開始してから，「押したい」と感じるです．
自由な意思は「後付け」の感情で，意識に現れる「自由な心」は幻覚に過ぎません．
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要するに，脳が押せって指令出してから「押したい」って感じるってことですね．

脳活動の測定は現在，頭に装置をつけてケーブルで信号を取り出さないといけないけれど，将来，高感度センサが開発されて電車の天井につけておくと・・・

鉄道公安官がモニタ画面を見ながら，
「1号車，エリア5の脳から”痴漢指令”が出力された，カメラで監視！」
「了解，・・・やるぞ・・・やるぞ・・・よぉ～し，やったああ，逮捕だ，行け！」

ってなことになりますね．